賃貸アパートのゴミ屋敷化は強制退去も……判例から見る賃貸ならではの大きなリスク

賃貸アパート・賃貸マンションに暮らしていて、部屋がゴミ屋敷化している方はいませんか?頭の片隅では片付けないと……という思いがありながらもついつい放置していませんか?もし今これに該当する方がいれば、今すぐ下記を読んで下さい。賃貸&ゴミ屋敷はこんな悲劇を招きます。

アパートをゴミ屋敷にすると強制退去させられる可能性がある

賃貸アパート・マンションの場合、ゴミ屋敷の状態を放置・長期間継続させた場合、強制的に退去させられる可能性があります。実際に裁判でも判例があります。

判決要旨引用

・住人は賃貸借契約に書かれた『貸室内において、危険、不潔その他近隣の迷惑となるべき行為をしてはならない』という契約条項に違反した
・住人は大家から再三注意を受けながら、事態を改善することなく2年以上の長期にわたって、社会常識の範囲をはるかに超える多量のゴミを放置した。
・衛生面だけでなく、火災発生の危険性もあり、消防署からも指摘を受けていたが改善しなかった
・従って賃貸借契約の解除は有効であり、住人は大家に対し、貸室を明け渡し、住人と連帯保証人は、明渡し済みに至るまでの賃料相当損害金を支払え

引用:公益社団法人 全日本不動産協会 大阪府本部 (東京地裁判決 平成10年6月26日 判例タイムズ1010号 272項)

一般的には、賃貸アパート・マンションにおいては住民の権利は保護されている傾向が強く、滅多なことで強制退去とはなりません。

しかし、ゴミ屋敷はあまりにも社会常識から外れていると判断され、不衛生や火災の危険が貸主並びに隣人に多大な迷惑をかけることから、退去しなければなりません。

更に、判例にある通り、居座り続ける間の損害金も支払う必要があります。

ポイントの一つである『借主は、貸室内において、危険、不潔その他近隣の迷惑となるべき行為をしてはならない』という契約条項も、ゴミ屋敷という言葉が定着している現在、これが盛り込まれていない賃貸借契約などほぼありません。ゴミ屋敷と化した賃貸アパートは、いつ追い出されても不思議ではないのです。

原状回復費用も金額が大きくなることは間違いなし

強制退去ではなく、自分から退去する形でもゴミ屋敷で問題になるのが現状回復費用。一般的なガイドラインは下記のようになっています。

(1)原状回復とは

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。

⇒ 原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化

引用:国土交通省

基本的に借主は故意・過失・常識的な管理義務の違反についてかかる費用を負担する必要があります。例えば、故意で一部のクロスが破れてしまったが、色を合わせる為に全面的なクロスの張り替えとなっても、借主が費用を負担するのは破けたその一部です。

経年劣化による減価償却も加わる為、原状回復についてはかなりの部分が貸主の負担というのが原則です。

ゴミ屋敷は故意・過失の割合が相当高くなる

ただし、ゴミ屋敷の場合は、強制退去の判例にもある通り、社会常識の範疇をはるかに超える損耗を与えているとみなされることから、修繕費用の実費から経年劣化の減価償却を差し引いた大部分を負担することになる可能性が非常に高くなります。

もちろん程度にもよりますがゴミ屋敷の場合、フローリングや畳の腐食、クロスのシミ、バスルームやトイレの大量のカビなどが進んでいるケースが多く、全面的なリフォームが必要になることも少なくありません。

そういった場合にかかる費用は100万円を超えることも。

実際に費用の何割を支払うかは住んでいた年数や損耗の度合いでケースバイケースですが、少なくとも住民と保証人には大きな費用請求がくることは間違いありません。

230万円の請求をされた判例も

実例として、平成28年8月19日の東京地裁の判例があります。これは、借主がゴミ屋敷化させた上に火災を発生させてしまい、多額の請求が認められた例です。

・19年以上住む賃貸マンションに住人がゴミ屋敷化した上、タバコの不始末で火災を起こした 

・貸主は合計230万円弱を請求、その内192万円の請求が認められた

引用:Reito

ポイントとなったのは以下の点。

  • 火災で住めなくなったことから住人は退去したが、リビングで発生した火災が原因ではない他の貸室の損耗も大きかった
  • 住人は減価償却を主張し工事費の全額負担はおかしいと主張した
  • しかし、『通常常使用していれば賃貸物件の設備等として価値があったものを汚損又は破損したのであるから、本件貸室の設備等が本来機能していた状態に戻す工事を行う義務がある』とされた

火災の影響が無かった部分の損耗具合は、詳細に書かれていませんが、減価償却が認められなかったという判例が出ているのは大きいことです。

これまで例えゴミ屋敷であっても、ガイドラインに沿って減価償却が認められるとの考え方が一般的でしたが、比較的新しい平成28年の判決はそうはなっておりません。

ゴミ屋敷という言葉が定着し、住人側の過失が大きいということが認知されている証拠です。

『いくらゴミ屋敷でもガイドラインで住人は守られているから大丈夫』などとは絶対に思わない方が良いでしょう。

賃貸でゴミ屋敷住人となってしまった人は一刻も早く片付けを

このように、賃貸アパート・マンションをゴミ屋敷にしてしまうと、一軒家のように『財産権・所有権の問題だ黙ってろ!』という理屈は通じないのです。

退去時の敷金・原状回復費にかかる金銭的なトラブルはもとより、強制退去となってしまえば大袈裟では無く路頭に迷う転落人生が待っているかもしれません。

賃貸物件のゴミ屋敷化は、住人が思っているよりはるかにリスキーな状況ということは理解しておくべきでしょう。

ゴミ屋敷はどうやって片付ける?

ゴミ屋敷は、自力で片付けるか誰かに片付けてもらうしかありません。しかし、そもそもゴミ屋敷化してしまう住人の方は

  • 仕事や生活リズムの関係でゴミ出しの時間に捨てられない
  • ADHDやアスペルガー、鬱などの病気
  • 近所づきあいがなく隣人への意識が無い
  • 外部から見えないワンルームなどで隔絶されていて危機感が無い

上記のような原因があり、自力での片付けが出来ないからゴミ屋敷化してしまっているとも言えます。

出来ることならば自力で片付けるにこしたことはありません。その気力が残っている方はこちらの記事を参考に今すぐ片付けにトライしましょう。

しかし、どうしても自分では無理だと言う方は、片付け専門の業者に依頼することをオススメします。

ゴミ屋敷の清掃費用は安くないが裁判になるよりは確実にマシ

もしもあなたが大量のゴミを残置物として残して退去しようとした場合、残置物の処理費用も負担する必要があります。

つまり、いつかは片付けなければ結局、原状回復費用とは別に片付ける為の費用も払わなければいけないのです。

また、片付けを遅らせれば遅らせるほどゴミは増えていき、費用もどんどん嵩んでいくわけですから、ゴミ屋敷は一日でも早く片付けましょう。

下記ページでは、大坂でゴミ屋敷清掃が安く頼める業者を紹介していますので、是非とも参考にしてみて下さい。

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